こんにちは!金沢の予備校、GREAT GRITです!
今回は、京都大学の英作文の出題形式について、詳しく解説していきたいと思います。
自由英作文の登場
京都大学の英作文は、2015 年まで 20 年以上にわたり和文英訳のみが出題されてきました。 2〜5 文程度の随筆的な文章を英訳するという出題形式で、これが京大英作文の伝統的なスタイルでした。
2016 年から自由英作文が導入され、以降は和文英訳(大問III)と自由英作文の 2 本立てが基本となります。自由英作文は独立した大問(大問IV)として出題される年もあれば、読解問題の一部として出題される年もあります。
自由英作文の出題形式 (2016〜2025 年)
自由英作文が導入された 2016 年以降、最も多く出題されているのは対話文・空所補充型で、2016年、2017 年、2018 年、2021 年、2023 年と 5 回出題。次いで読解+自由英作文型が2019 年と 2024 年の 2 回、意見論述型が 2022 年と 2025 年の 2 回出題。実用的伝達型は 2020 年の 1 回のみの出題です。
和文英訳、空所補充、対話文、意見論述、問い合わせ文、読解内英作文——出題形式は年度によって異なり、特定の型に縛られません。つまり、「この形式が出るからこう書く」というパターン暗記では通用しないため、いわゆる「対策」ではなく、真の英語表現力が問われています。
和文英訳のテーマ分類 (2011年度〜2025年度)
| 分類 | 具体例 | 出題年度 |
|---|---|---|
| 人間の内面 | 心と表情、第一印象、損得勘定、無知と成長、お気に入りを選ぶ難しさ | 2025, 2024, 2023, 2012, 2011 |
| 日常・生活 | 旅、レコード、パン作り、満員電車、電子書籍、海外旅行 | 2022, 2020, 2016, 2014, 2011 |
| 社会・世界 | マイノリティ、和食と文化、情報発信、トキと環境、睡眠不足、星座 | 2019, 2018, 2017, 2015, 2013 |
自由英作文のテーマ分類 (2016年度〜2025年度)
| 分類 | 具体例 | 出題年度 |
|---|---|---|
| 論理・思考 | 早急な一般化, 嘘の種類 | 2021, 2023 |
| 文化・価値観 | 積ん読, 音楽に国境はない、大学での研究 | 2016, 2017, 2022 |
| 実務・社会 | レポート課題, 携帯電話, 人間のカテゴリー化, 奨学金. AI | 2018, 2019, 2020, 2024, 2025 |
テーマは文学的、心理学的、哲学的、さらには実際の場面を想定した実務的な内容まで、幅広いアプローチから出題されています。共通するのは次の 3 点です。
⚫︎ 知性や行動に関する深い思索
⚫︎ 抽象的な概念を具体化する力
⚫︎ 論理的に筋道を通す力
今後の予想・対策・アドバイス
京大の自由英作文で最も注意すべきは、同じ形式が続かないことです。対話文・空所補充型が 3 年連続(2016〜2018 年)で出題された後、読解+自由英作文型(2019 年)、実用的伝達型(2020年)、再び対話文型(2021 年)と変化し、意見論述型(2022 年)、対話文型(2023 年)、読解+
自由英作文型(2024 年)、意見論述型(2025 年)と続いています。
河合塾の分析でも「定まった出題形式での受験対策をさせないよう、意図的に出題形式を変えているようにさえ感じられる」と指摘されており、2025 年に意見論述型が出題されたことを踏まえると、2026 年は対話文・空所補充型に戻る可能性もある一方、読解+自由英作文型が再び出題される可能性も十分あります。しかし、京大の場合「予想を裏切る」ことも十分ありうるため、結局のところ、どの形式が出ても対応できる準備をするしかないのです。
2016 年以降、自由英作文の形式が変わっても、和文英訳だけは毎年必ず安定して出題され続けています。和文英訳対策を怠ってはいけません。
また、京大の和文英訳は日本の大学入試の中で最も難しいと言われています。理由は、単なる語彙力や文法力ではなく、日本語を「英語にしやすい日本語」に言い換える力が必要なためです。これは短期間で身につくものではなく、日頃から「この日本語を英語で言うとしたら?」と考える習慣が重要です。
対話文・空所補充型は最頻出でありながら、実は最も難易度が高く、一般的な「空所補充」のイメージとは全く異なります。京大の場合、「早急な一般化」「white lies」といった抽象的な概念を理解した上で、自分で具体例を創作して英語にする必要があり、しかも 1 問の中に 4 つの空所があり、それぞれ異なる論理展開が求められます。これは実質的に「ミニ自由英作文×4 本」を書くようなもの。この形式に対応するには、日頃から抽象的な概念について「具体例を挙げるとしたら?」と考える訓練が必要です。
2019年・2024年に出題されたこの形式は、読解問題の中に 80〜100 語程度の英作文が組み込まれているもの。独立した大問ではないため見落としがちですが、実質的には自由英作文です。長文を読み、内容を理解した上で、指定されたテーマについて論理的に説明する力が求められます。2 年に 1 回のペースで出題されているため、今後も警戒が必要です。
意見論述型(2022年、2025年)は他大学でも頻出の形式で、「主張→理由→総括」という構成は比較的練習しやすい形。近年増加傾向にあるため、今後も出題される可能性は高いです。実用的伝達型(2020年)は、しばらく出題がないものの、だからこそ復活の可能性あり。奨学金の問い合わせ(2020年)のように、実際の場面を想定して必要な情報を整理し、論理的に伝える練習をしておくとよいでしょう。
まとめ 〜京大が求めているもの〜
京大の英作文が問うているのは、結局のところ「真の英語表現力」です。和文英訳では、日本語の奥にある意味を正確に理解し、それを英語で表現する。自由英作文では、抽象と具体を行き来しながら、自分の考えを論理的に組み立てる。どちらも「自分の頭で考え、自分の言葉で表現する」という点で共通しており、パターン暗記や定型表現の丸暗記では太刀打ちできません。どんなテーマでも、どんな形式でも、自分の言葉で英語にできる力——それが京大英作文の本質であり、受験生に求められているものなのです。

