こんにちは!金沢の予備校、GREAT GRITです!
今回は、金沢大学の英作文の出題形式について、これまでの傾向から今年の対策まで、詳しく解説していきたいと思います。
入試形式の変遷 2 度の「大改革」(2016 年度・2025 年度)
2015年度までは、日本語による記述や要約が中心の形式でした。英文を読んだうえで、その内容を日本語でまとめたり説明したりする問題が多く、英語の読解力とともに、日本語で正確に整理・表現する力が重視されていました。
2016年度から、金沢大学の英語は大きく舵を切ります。設問・解答ともにオールイングリッシュ化され、長文の単語数も増加。英語を英語のまま理解し、英語で説明する力が本格的に求められるようになります。この時期のライティングは、独立した自由英作文として出題されていました。読解問題とは別に【大問III】として英作文が設けられ、イラストの描写や社会問題への賛否などをテーマに、80〜120 語程度で自分の意見を述べる形式が中心でした。つまり「読めるか」と「書けるか」が、ある程度別々に評価されていた時代です。
2025年度以降は第二の改革期に入り、入試はさらに進化します。特徴は、複数資料を用いた統合型問題への移行です。本文だけでなく図表や複数の情報を読み取り、それらを関連づけて考える力が問われるようになりました。
ライティングも大きく変化しました。独立した英作文問題は廃止され、英作文は読解問題【大問III】の中に完全に組み込まれています。課されるのは、「2 つの段落で、合計 120 語以上」という大型の論述タスクで、本文や図表を根拠として引用しながら論じることが求められます。これは、単なる自由英作文ではなく、読解・要約・論述を統合したアカデミック・ライティングそのものです。
このように、金沢大学の英語入試は、
⚫︎ 日本語中心の理解型(〜2015)
⚫︎ 英語運用力を個別に問う時代(2016〜2024)
⚫︎ 読解とライティングを統合して問う時代(2025〜)
という段階を踏み進化してきました。現在の金沢大英語では、「英語が書けるか」ではなく、「資料
を読み、根拠を示し、論理的に書けるか」が最重要ポイントになっているといえるでしょう。
金沢大学の自由英作文 (2016 年度〜2025 年度)
2025年度
Ⅰ 高齢化社会と大学教育 【社会・技術】/2文
Ⅱ 社会的健康・高齢者の孤独(複数テキスト) 【人間・健康】/60 語以上×2
2024年度
Ⅰ 喉の渇きのメカニズム 【人間・健康】/30-40 語
Ⅱ プエルトリコの古代人類と DNA 分析 【人間・健康】/20-30 語
Ⅲ ダイバーシティと社会 【社会・技術】/80 語以上
2023年度
Ⅰ タイプライターの復活(デジタル vs アナログ) 【社会・技術】/30-40 語
Ⅱ 読書の治療的効果(読書療法) 【人間・健康】/20-30 語
Ⅲ ギャップイヤー 【教育・生活】/90 語以上
2022年度
Ⅰ 記憶と忘却の利点 【人間・健康】/30-40 語
Ⅱ 障がい者とリモートワーク 【社会・技術】/20-30 語
Ⅲ 食料自給率 37%の問題点 【社会・技術】/80 語以上
2021年度
Ⅰ 面接の無意味さ(認知バイアス) 【人間・健康】/30-40 語
Ⅱ バイオミミクリー(シロアリの巣と建築) 【社会・技術】/25-35 語
Ⅲ イラスト(本の山で読書する人) 【教育・生活】/80-120 語
2020年度
Ⅰ バイリンガルと言語習得 【教育・生活】/30-40 語
Ⅱ シロアリの巣と建築技術 【社会・技術】/20-30 語
Ⅲ 大学 1 年生の寮生活義務化 【教育・生活】/80-120 語
2019年度
Ⅰ 科学者のステレオタイプとジェンダー 【社会・技術】/30-40 語
Ⅱ SNS と対面コミュニケーション 【教育・生活】/25-35 語
Ⅲ 16 歳での運転免許取得 【社会・技術】/80-120 語
2018年度
Ⅰ ヒートアイランド現象と対策 【環境問題】/30-40 語
Ⅱ カルチャーショックの段階 【教育・生活】/20-30 語
Ⅲ 2 つの授業スタイル比較 【教育・生活】/80-120 語
2017年度
Ⅰ 仕事の未来・AI とグローバル化 【社会・技術】/30-40 語
Ⅱ 読書と共感(experience-taking) 【人間・健康】/20-30 語
Ⅲ 自動運転車の影響 【社会・技術】/40-60 語 ×2
2016年度
Ⅰ アーミッシュ社会の若者(通過儀礼と選択) 【教育・生活】/20-30 語
Ⅱ チンパンジーと料理(進化と自制心) 【人間・健康】/20-30 語
Ⅲ イラスト(父と娘がカフェで会話) 【 – 】/80-120 語
テーマの傾向 (2016 年度〜2025 年度)
出題形式は変化してきましたが、金沢大学が好むテーマには一定の方向性が見られます。テーマは、大きく次の 4 つに整理できます。
1. 社会・技術と価値観
現代社会における技術の進展や社会的価値観を扱うテーマが、継続的に出題されています。自動運転車(2017年)や、障がい者とリモートワーク(2022年)、ダイバーシティ(2024年)など、技術や制度が社会にもたらす影響について、多角的に考察させる内容が中心です。
2. 人間の認知・心理・健康
金沢大学の特徴として、人間の内面や認知に関わるテーマが比較的多い点が挙げられます。記憶と忘却(2022年)、認知バイアス(2021年)、読書療法(2023年)など、心理学・認知科学・健康に関連する話題が出題されており、抽象度の高い内容を正確に読み取る力が求められます。
3. 教育・文化・生活
教育や文化的背景、生活様式を扱ったテーマも定番です。バイリンガル教育(2020年)、カルチャー
ショック(2018年)、アーミッシュ社会(2016年)など、異文化理解や教育の在り方を題材にした出題が見られます。
4. 環境問題(出題頻度は低め)
環境分野の出題は限定的で、過去 10 年ではヒートアイランド現象(2018年)のみとなっています。
他分野に比べて出題例は少なく、今後新たに扱われる可能性がある分野として注目されます。
今後の予想・アドバイス
英語の試験が「読解」と「作文」の分離から、「情報収集→分析→意見表明」という一連のプロセスを測る形式へと進化しています。日頃からニュースやグラフを見る視点を養いましょう。
まとめ 〜金大が求める論述能力〜
金沢大学の英語では、単にテーマについて意見を書くのではなく、本文や資料を根拠として用いながら論じる力が重視されています。特に近年は、
⚫︎ 本文内容の正確な理解
⚫︎ 複数の情報(文章・図表)の整理
⚫︎ 根拠に基づく説明・論述
といった能力を総合的に問う方向へと移行しています。

